2017年8月18日金曜日

ネットマガジン「ある吹net」に掲載されました

「サヨナラノオト」を書いた吹奏楽ライター、オザワ部長さんのネットマガジン「ある吹net」 にコンクールの様子が掲載されました。密着取材をされ、その時の様子が克明に描かれています。是非お読みください。

【ブラバンガールズ】藤村女子中学・高校の東日本学校吹奏楽大会初出場が決定!

オザワ部長の著書『サヨナラノオト ブラバンガールズの約束』(学研プラス)に登場した東京のブラバンガールズ、藤村女子中学・高校吹奏楽部が東日本学校吹奏楽大会初出場を決めました!



昨年は11名で都大会予選に挑み、銀賞に終わった藤村。今年は中学生4名、高校生4名の新入部員が加わり、15名で都大会に挑みました(全メンバーは高校生9名、中学生6名)。
演奏したのは、西村朗作曲《秘儀II 〜7声部の管楽オーケストラと4人の打楽器奏者のための〜》
2015年の課題曲だった《秘儀III −旋回舞踊のためのヘテロフォニー》と同様、アジアのどこかの国の儀式の音楽を思わせる曲。独特のリズムと緊張感が全体を支配する、少し難解でありながら、聴いていくうちにググッと引き込まれる魅力的な曲です。


実はこの曲、6月に行われた藤村の定期演奏会でも演奏されていました。昨年の自由曲だった《アルメニアン・ダンス パートI》とは大いに違う曲調ですが、その時点でも不思議なほど藤村にマッチしていました。


                           












6月に行われた定期演奏会での演奏。指揮する都賀先生はさすがに存在感があります。


                           













演奏会が終わり、後片付け中の打楽器4人組をパシャリ。

 
                              













実は、定期演奏会にはオザワ部長もゲストとして登壇させていただきました。


 2015年から藤村の顧問を務める都賀城太郎先生は、埼玉県の春日部共栄高校を10度も全日本吹奏楽コンクールに導いた名指導者。
担当教科は物理なので、《秘儀II》のような複雑な要素が組み合わされてできている曲は「春日部共栄のころから好きだったんです。パズル的に考えられるところがいいです」とおっしゃっていました。おそらく、都賀先生ならではの楽曲解釈やそこから生まれる表現方法が、バンドにも力を与えることになったのでしょう。



迎えた8月12日の東京都大会(予選)BII組。会場は府中の森芸術劇場ウィーンホールでした。



BII組というのは、東日本学校吹奏楽大会につながる小編成部門で、規定で30名以下・演奏時間7分以内(自由曲のみ)と決められています。

この部門では、やはり30名に近い人数で出たほうが音量も大きく、一人ひとりのミスも目立たない傾向にあります。しかし、藤村はその半分の15名での出場。さらに、3分の1以上が中学生で、6月の定期演奏会以降に楽器が変わった初心者が2人。条件的にはかなり不利でした。

ただ、ステージに表れた部員たちの表情はいい意味で引き締まり、集中力が高まっているのが感じられました。
各パートの配置もユニークでした。最前列の中央にトランペットが並び、その左右にピッコロ・オーボエ・クラリネット。後方にはホルン・ユーフォ・テナーサックス・コントラバスが配置され、左右から包み込むように4人の打楽器奏者が立ちました。
都賀先生いわく、「一番よく響く配列を考えた結果、こういう並びになった」そうです。




いざ演奏が始まると、曲の持つ世界観と緊張感が一気に会場の色を塗り替えるのか感じられました。打楽器の心地よくも妖しげな響きの中で管楽器が戯れるように吹き鳴らされ、それを都賀先生の落ち着いた指揮が一つにまとめ上げていきます。いつしか多くの観客が息をこらして藤村の演奏を見守っていました。ホールいっぱいに広がるサウンドは、決してボリュームが大きいわけではないものの非常に豊かで、たった15名で演奏しているとは思えないほど。最後のバスドラの音で演奏が締めくくられると、大きな拍手が送られ、客席は何とも言えない高揚感に満たされていました。

演奏後、部長の原佳菜子さん(高3・テナーサックス)「小さなミスはありましたが、練習のときに決めきれなかったところもうまく演奏できてよかったです」と語っていました。
また、都賀先生は「まあまあ練習したとおりにはできました。他と比べると異質な曲なので、審査員の評価は分かれると思います。結果はどうなるかわかりませんけど、よかったと思います」と汗を拭いながらおっしゃっていました。

 
演奏を終えて。去年までステージ衣装は白いブレザーでしたが、今年から制服のジャケットに同色のスカート/パンツとなりました。

都大会BII部門は、予選で選ばれる12校が集まり、改めて代表選考会を開催。その中の3校が、東日本学校吹奏楽大会に出場する東京都代表に選ばれます。
予選の審査の結果、藤村は金賞を受賞! さらに、代表選考会に出場する代表校にも選出されたのです。昨年の銀賞の悔しさを晴らす結果となりました。



さて、代表選考会ですが、予選が終わったわずか3日後の15日、同じ府中の森芸術劇場ウィーンホールで行われました。
前夜は学校の柔道場に泊まり、朝4時起きで練習をしてから会場に乗り込んできた藤村。都賀先生は「みんなで泊まったことで、精神的なまとまりがでてきて非常によかった」と語っていました。
とはいえ、まだ都賀体制になって3年目。部員たちは、伝統校や強豪校のようなピリッとした行動はできていません。準備の段階から「フニャフニャしない!」「ちゃんと楽器ケースを並べて。他の学校はみんなやってるよ!」と都賀先生に指摘を受けるような状態。そんなゆるさも藤村らしいといえば、らしいのですが…。

ところが、ステージに出ると一変します。
藤村の《秘儀II 〜7声部の管楽オーケストラと4人の打楽器奏者のための〜》は、予選のときと同じようにホールに張り詰めた音楽世界を作り出し、観客たちの耳と目をクギ付けにしてしまいました。小平第三中学校時代に2度全日本吹奏楽コンクールに出場し、全日本アンサンブルコンテストでは3年連続金賞を受賞している副部長・福原優花さん(高3)の打楽器を中心にして、演奏は予選のとき以上のまとまりを見せていました。

 
定期演奏会では打楽器ソロも披露した副部長の福原優花さん。

とはいえ、代表選考会に集まるのはレベルの高いバンドばかり。東日本学校吹奏楽大会という小編成の最上位大会に出るのは容易なことではありません。
福原さんは演奏後にこう語っていました。

「初めて出場する代表選考会だったんですけど、予選から3日しか経っていないので、気持ちの切り替えが大変でした。でも、みんなで『もう一度代表になろう!』と頑張ってきました。演奏ではところどころミスもありましたけど、今は『最高の15人で演奏できて本当に良かった』という思いです」

一方、都賀先生に演奏の感想をお聞きしたところ、こんな答えが返ってきました。

「途中から演奏が少しばらけてしまいました。代表は…もう無理です(笑)」

やはり代表選考会ということで緊張もあったのでしょうか。百戦錬磨の都賀先生にしてみると、「予選のほうが出来が良かった。今日の演奏では少し厳しい」という認識だったようです。




ところが、蓋を開けてみると、なんと藤村は東大和高校・国本女子高校とともに東京代表に選出されたのです。

ミスはありながらも、全員が集中して作り出した音楽が評価されたのでしょう。そして、やはりそれをまとめ上げ、聴く者の心をつかむサウンドへと昇華させた都賀先生の指導力、指揮力には脱帽せざるを得ません。

『サヨナラノオト ブラバンガールズの約束』にも書いたとおり、都賀先生は「たとえうまく演奏できない人がいたとしても、誰ひとりとして見捨てない」と部員たちに約束をして、指導を続けてきました。きっとその思いが信頼につながり、今回の結果を生んだのでしょう。

都賀先生は、いずれは全日本吹奏楽コンクール出場を狙いながらも、当面は小編成での東日本学校吹奏楽大会を目標としてきました。藤村の顧問に就任してわずか3年目、不利な条件をはねのけての目標達成はさすがとしか言いようがありません。

東京代表に選ばれ、副部長の福原さんはこう語ってくれました。

「代表に決まった瞬間、嬉しさのあまりみんな泣いていました。私自身、嬉しすぎて、夢と現実の狭間にいるような気分で、まだ信じきれていません。でも、東日本大会に出場するからには、東京代表として恥じない演奏をし、金賞を目指したいと思います!」

東日本学校吹奏楽大会高校の部は10月15日、宇都宮市文化会館で行われます。
たった15名の東京ブラバンガールズ、いよいよ最上位大会へ!

 
藤村の昨年のコンクールの模様も収録された『サヨナラノオト ブラバンガールズの約束』。
カバーイラストの右のキャラは福原さんがモデル。他に活水高校、玉名女子高校が登場します。
吹奏楽に青春をかけた少女たちの感動エピソードが満載! ぜひお読みください。


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